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みんなが「ホントの仕事」に従事すれば、日本は良くなるし、世界にもいいことあるよ、たぶん。



【書評】「YouTubeで食べていく 「動画投稿」という生き方 」 愛場 大介(ジェット☆ダイスケ)


「You Tubeとは秀逸なネーミングであった」


ブログアフィリエイトの収入で生計を立ててる筆者による、web動画を使った新しい「仕事のカタチ」論。結論からいうと、力作。

 

amazonでどなたかもレビューしているように、タイトルはビジネス書風を装いつつ、中身はそうでもない。つまり、ネットで稼ぐノウハウ書ではない。本書の最後では「YouTubeで大きく稼げるというのは、絶対に違う」とまで書いているくらいだ。

 

けれども稼ぎ目的の方でも一読の価値はある。web動画という、マネタイズが始まったばかりの(特に日本では)世界規模の新規ビジネの萌芽全体像が、円満な筆致で分かりやすく解説されている。


ここから読み手のセンス次第では商売の発想をいくつも掴み取ることができるだろう。その意味では触発的な内容であり、本質的な意味においての「ノウハウ書」と思う。

 

本書では、近年の動画及びwebコンテンツをめぐる豊富な事例検証と傍証とによって、Tubeをはじめとする動画投稿サイトの「今」を多角的に浮き彫りにしようと試みられており、徒歩で帰宅する際の路上を、iPhoneで撮っただけの6秒動画シリーズなど、企画や発想の斬新さ、プラス、ライブ感がモノをいう世界だと認識させられた(今さらな感想ですがw)

 

また、プラットフォームとしてYouTubeという既成のものを使いながらも、肝心な中身がひとりプロダクションというか真の独立系というか、とにかく他からの干渉が少なく(立ち上げ時には)、「自分自身のすべてがwebコンテンツ」という生き様が、そのまま内容になりうる魅力は、テキストベースの従来のサイトとはまた違ったアクティブ感がある。

 

「作業でなく『ホントの仕事』をしたいなー」などと、日頃から(偉そうに)考えてる僕にとって、本書はどんなビジネス書にも負けない、本質を突いた仕事論になっていると感じた。

 

仕事論の文脈では、本書中盤に紹介されるMEGWIN(芸人からスタートしたプロ・ユーチューバー)のインタビューが、「自前の旗を振る」ことこそが仕事という含蓄を含んでおり、特に興味深かった。
他の現役プロ・ユーチューバーのインタビューもそれぞれに良く、みなさん紆余曲折を経て、現在に至っているのが興味深い。そして恐らくはその現在すらまた、変動のただなかにある。

 

ソクラテスもプラトンも、み~んな悩んで大きくなったのだった。

 

動画発信という新しい芽吹き。流転しつつも伸びる一方という分野のリアルを、十分に感じさせる好著。文章も達者で最後には建築的な意見で締めてあるのもよかった(上から目線ですみません笑)

 

さっそく僕も一本動画撮影したよ。小さな一歩の始まりです笑

 

<了>