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みんなが「ホントの仕事」に従事すれば、日本は良くなるし、世界にもいいことあるよ、たぶん。



コールセンターに電話をかければ、その会社の姿勢が見えてくる。

先日いい撮影機材を発見したので、ぼくの本業(プロ撮影機材販売卸)でも拡販しようとして、メーカーのコールセンター(エンドユーザー向け)にカタログを請求してみた。

 

そしたら「法人だと部署が違うから営業部に言ってくれ」ときた。

 

こうした返答は、世間ではよくあることなんだが、その際回答者はぜんぜん「がんばって」ないよね。「努力」ってのは問い合わせに対してドライに切り返して効率的に時短して、その成果で会社に貢献する、なんてことじゃない。それは内向きの姿勢でユーザー本位でない行為だ。

 

そうしたドライな受け答えが推奨される背景には、問い合わせというものを企業側が、「静かな池に石を放り込むようなこと」、つまり迷惑行為チックに考えているフシが見受けられる。

 

そうではなく、問い合わせに対する初期対応として好ましいのは、「カタログご請求承りました。弊社内での部署違いの対応となるため、担当営業部にご請求を伝達いたしました。追って連絡をさせますのでしばらくお待ちください」なんていう傾向のものだ。そしてそうやって引き継いだ後は、自分の領域で完結しなかった事案として「あの質問どうなったかな?」って営業部に後日確認してみるなどする「しつこさ」が、汗は大してかかないけど本当の「努力」だと思う。貢献すべきはお客の満足度に対してであって、社内や、ましてや直属の上司や同僚に対してではない。客(見込み客も含むが)に向かってガンバるのが、まっとうな順序というものだ。自社製品に自信があるならあるほど、そういう対応になるんじゃないのか。

 

そもそもが、たかがカタログ送るだけのハナシである。しかもそのコールセンターはイマドキのスタイル、すなわち問い合わせしてくるようなある種の「見込み客」に対して「電話での質問は受け付けん。メールオンリーだ」ってのを(一方的で頭にくるが)流儀にしちまってるのだから、ますます、その「他部署依頼」なんてのは、元依頼メールを転送するだけで済んでしまう処置ではないか(ぼくはほかに聞きたいこともあったので電話しちゃったけど)

 

てめえで縛りを作っておいて例外がきたらハネつけるだけじゃアホでもできる切り分け作業だわ。聞いてるかPENTAX。

 

細部はほとんど忘れてしまった昔話で恐縮だが、問い合わせの電話に対して満足できない回答をせざるを得なかった(と判断された)とき、ライバルメーカーの製品やサービスを3社まで提示する会社の話を以前聞いたことがあった。こういうトータル性を見据えた対応が、ホントの努力が始まる地点だ。ひとつひとつの対応をキメ細やかに…ってのは、まず当たり前であって、その上でどうするかってことこそが真の問題なんだ。問い合わせの中に次の商機や改良を見定めて社内共有するとかが、コールセンターのホントの役割なんじゃないのかね。

 

何十年も変化してないように思える「電話をうける」仕事ひとつとっても、FAXもあり、モバイルがあり、ネットも定着した現在では、その「電話を受ける」意味合いは変わってきてるのだ。肉声に肉声で直対応する行為を真剣に再検討することで、次のステップが見えてくる。これが仕事本来の進め方なんじゃないのか。

 

<了>