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みんなが「ホントの仕事」に従事すれば、日本は良くなるし、世界にもいいことあるよ、たぶん。



「相手にまず花を持ってもらう」という考え。

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ピザトーストをいただく。このシンプルさがいい。

 

<無料お試しを、化粧品のような一般消費財でなく、特殊な専門分野でやってみる>

「フリーミアム」というマーケティング用語はよく知られるようになりましたね。そう、簡単に言えば無料お試し制度です。シャンプーの試供品から、デパ地下の試食、試飲まで、昔からある手法ですね。

でもマーケティング用語は、抽出/普遍化の果てに生まれた原則確認のための術語ですから、いつも自分の立場や商材やサービスに置き換えなきゃ、単なる豆知識です。

ということで早速&手前味噌ですが、僕の場合の話をしたいと存じます。

 



その「フリーミアム」の考えを応用したのが、写真のプロ機材卸業である当社で扱ってる「小型の業務用フォトプリンター(買うと大体20万円位します)の無料貸し出し」です。

この貸し出しプランの特徴といたしましては…

・世界のどこの会社も意外にやってない、業務プリンターの性能テスト貸し出しであるということ。
・プリンターを動かすためのノートパソコンごと貸し出すこともします。
・プリンターのインクや紙もセット済み。即稼動できるセットアップ済み。
・貸し出し相手はプロのフォトグラファーや写真館ですが、そのプリンターを使っていきなり商売に結び付けてもOK
・発送時はもちろん、返却の際の送料も当方持ち。
・貸し出しを事由とした買取の強制も、しつこい営業も一切なし。
・貸し出し期間は基本的に2週間。自分の画像と自分の仕事環境で、ゆったり納得行くまで性能確認を。

ということで、「フリーミアム」の考えを参考に、徹底的にお客様を立てるように制度設計しました。幸いプリンターもプロ仕様なのに小型で軽く(15kg)、一般の宅急便で十分輸送できます。


まずは先方に利点や実利を十分享受して頂き、私の方の利益はその後に追随すべきという理念です。

 

↓告知はこんな無粋な、そっけない無料HPをアップロードしてるだけ。

rantal.jimdo.com

 

こんなありさまですが、本気のお客様からの問い合わせオンリーであり、プリンターの高性能な魅力もあって、受注にダイレクトに結びつく好評サービスと自負しています。


また当然ですがこちらとしても、無料レンタルであればデモンストレーションの費用も手間も省ける利点があります。

で、いざ始めてみると、こちらの想定外として写真屋以外の方からの問い合わせが多くありました。
世の中やはり広いです。今までリーチ出来なかった顧客層にアプローチできる、いい接点になってると思います。

 

ちなみに「フリーミアム」のテーマからはズレますが、「無償で借りるのは忍びないからいくらか支払うよ」と、事前に言って下さる方もいて、そうした声にも対応できるよう、その後、有償貸し出しプラン(1日1,000円/台、消耗品代別途)も始めました。有料プランを選択なさる方は、最終的にプリンターを買うところまではいかないわけですが、これはこれで当社としてはアリ。ビジネスの流れとしては定石の逆をいくようで、面白いですね。

無償貸し出しプラン、有料レンタルプランのいづれも、おためごかしでも、外堀から埋め立てるような婉曲な営業でもなく、また、人間関係を築いてからモノを売り込む従来型営業でもなく、顧客の潜在的ニーズに対し極めて具体的に、最初から最短距離で切り込んでいくのが狙いでした。またそれを、専門機種で行うというのもミソです。

なお、貸し出し機材は、当社で身銭を切って購入したものもあれば、廃業したお店からの引き上げ機種などを使っていますが、メンテナンスもしっかり行い、貸出機として提供しています。
当然問い合わせ元は見ず知らずのご新規さんばかりですが、何十回と貸し出しながらも、ありがたいことに現在まで持ち逃げ等のトラブルは一切発生しておりません。

また、納品後もしっかり使っていただけてるようで、消耗品のご注文は頻繁に頂きます(プリンター販売のメインの利益源は、ご存知の通り消耗材ですから)。

ということでこちらから積極的に胸襟を開くことで、いいワークフローが出来ていると思っています。

「まず相手に花を持ってもらう」この発想、いかがでしょうか?
あなた自身のビジネスにも、あるいは貴方の部署でも使えませんか?

 

「そんなことできっこないんだョ、こっちは業種が違うから」なんて思うよう業界なら、逆にしめたもの。ライバルも出し抜ける新戦略が打ち出せる可能性がありまっせ。また、「前例がないし、実績が出ないと企画として始まらない…」なんて方は、これもオリジナル仕事をローンチできるいい機会じゃないですか。上司や社内を巻き込むとかして知恵出してカタチにしましょうよ。

 

実際に実施して実績も上がると(わ、「実」ばっかり!)、「こういうところから本当の仕事は始まっていくんだな」って、そんな予感がすること請け合いですよ。

 

こうやって、一般的なマーケティング用語を、個別に自分色に染めていくのが、本当の仕事術ではないのかな、なんてなw

 

<了>