みずからの内なるブラックホールに目覚めない者に限って、たかが外界のそれを、単に撮影できた程度で大喜びだ。まったく見苦しく嘆かわしい。
撮られたそれが円状で意外に想定内のカタチなのは、いったい何を意味するか。それは円満なお前の姿そのもので、だから凡庸なのだ。お前以上の宇宙およびブラックホールなど、この世のどこにも存在しない。こんなのハナっから知れたこと。大前提。
ブラックホールの観測形を見たうえで思考がそうした前提まで到達しなければ、おまえは自分自身の一部たる「ブラックホール」に、うかうかと飲み込まれるだけだ。子供なんか典型的なブラックホールだろうが。それはあちこちに普通に居る。
すべての天体は、おのれの分身。人は最初から最期まで神秘。真の問題は「どう輝くか」しかない。観るならそっちだ。
<了>