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みんなが「ホントの仕事」に従事すれば、日本は良くなるし、世界にもいいことあるよ、たぶん。



AIと仕事と1984年。

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*ジョージ・オーウェルの有名小説「1984年」中に出てくる“真理省”のイラスト(ウィキペディア「1984年」より、引用)

 

AIの前に聖域なし

 

AIに今後とってかわられる仕事は単純労働の分野、代替可能な職種(コモディティ化)ということになっているが、本気でAIが進めば一般的にはそういう単純指向から最も遠いと思われてる高等職業、つまり弁護士や医者なんかも「置き換わり」の対象になるだろう。

 

なぜなら、裁判は判例や前例主義で動いてるし、医療における診断とは、症例その他からの人為判断だから。つまりどちらも、多様性に向き合う精緻で誠実な職能に見えながら、実態は過去問題とその解答の規範、「仰げば尊し」の繰り返し。名奉行の大岡越前や「医は仁術」なんて言葉は過去のものだ。

 

だったら、AIにあらかじめ過去の専門データや分野知見、プロファイルをとりこぼしなく入力しておけば、最適な過去解答はそのデータベースから即座に導かれてくるし判断も高度で間違いがない。検証途上のデータもフラグ付きで入力しておけば次善の選択肢も豊富に提示されるだろうし、最適解への至近ロードマップ提示も可能だ。

 

さらにIoT技術も併用すれば裁判や治療のスケジューリングもすぐにできるし、経過モニタリングも容易。変更や修正への適宜対応も難なく可能。可変要因はパラメーターによる人為的条件設定だけだがそれとて時間とともに蓄積するから、解の揺らぎは解消する方向に向かうだろう。AIの自己診断機能も使えばエラーに対しても鬼に金棒だ。

 

そうなると人のかかわる仕事領域はメンテナンス分野になろう。DBサーバーへのアクセスとレスポンスの技術を滞りなく安定させるのと、追加や差分のインプットや修正が、メンテの主となる。となれば日本に、いや世界に数十人で事足りる。

 

(これからはその数十人が超エリートの特権貴族となり、国家元首ですら彼らの下僕となる。民主主義は(こんにちでもそうであるように)傀儡の度合がさらに進む。なぜなら絶対王政の権力はAI側にあるから。世界はパラダイムシフトをかように迎えるわけだ)

 

さて人為によるデータ入力に話を戻すが、それすら面倒なら、IT先進国アメリカが先にDB構築するだろうからそれをまるっとコピペさせてもらって日本仕様に細部を最適化すればよい。そうすれば初期における大幅な手間の軽減になる。法曹分野は難しいかもしれないが、医療分野ならイケそうだ。ただしコピペ元との参照はきっちりやらないとね。必ずどこかが墨で塗りつぶされてたり改変されたりしてるから。

アメリカさんへの見返りは、シンゴジラの版権永久無料とかでいいんじゃない?(笑)コンテンツの権利みたいなカゲロウでの支払いなら、巨額の予算も不要だしもう確立してて破たんしようもないし、手離れいいしでいいことづくめ。東宝への補償は「お国のためのご奉公」の一言でおしまいにしちゃえばいいしね笑。

 

あ、だったら最初から自国で入力しちゃうのが早いかw

 

つか、自国で医療用AIの構築&実装はさっさと済ませて運用しはじめちゃって、バグや瑕疵をつぶしたあとは、その信頼印の日本医療界御用達AIインストール用データベースを、各国にパッケージ販売するのはどう?運用マニュアルと更新作業とメンテナンス契約も含めたら、いけるんじゃない?コピーガードも忘れずに。

 

で初回購入特典は日本の医療機器メーカー各社と組んだハード面での格安リースプラン。最先端の日本製医療機器が激安で一括導入できるとなれば、世界の半分は欲しがるんじゃないかな?パッケージのネーミングは、「はじめての医療AI、国別らくらくパック」みたいな(笑)。機器メーカーへの支払いは、パッケージの全体利益から案分、と。発想が古い気もしますが新幹線とか原発よりはいいんじゃない?とりあえずこれで外貨獲得OK!次期国策に内定!笑

 

軽い冗談はこれくらいにして本題の冗談に戻るけど、法律や医療から進んで、日本はやがて法治国家の中身となる規範は、AIのマザーコンピューターの中に全部あって、人はそこから知見を取り出してくるだけになるだろう。いやマジで。だって今進めてるIT化って、方向性としては六法全書や国会図書館のDB化なんだもん。政治だって国会だって外交だって、対処療法のレベルのものは全部、過去の参照と適用が「仕事」になるだろう。いやこれは明治以降ずっとそうか。

 

今回の天皇生前退位のような新しい事態に対しては、そのたんびに特例法を新設して対処するだけになるだろう。その特例をこしらえることと、施行の実務と、たくさん出来た特例法の維持管理と、お互い法の整合性すりあわせだけが、政治家と官僚の仕事になって、霞が関にはヒマ人が続出するだろう。やった!「1984」の世界がやっと実現する!簡単だ!

 

弁護士や医者、政治家や官僚は、今まで自分の仕事だと思ってきたものが、実は機械(というかデータベースへのアクセスとその分析技術)に代替可能な作業レベルのものだったことに、そうなってからやっと気づくのではないか。世の人が大マジで携わってるのは、その大部分が前準備とか後片付けの当為作業にすぎない。人件費削減の刃は、それを唱えてるその張本人にいつだって突きつけられてて、その構図にお気づきでないのは当人のみだ。世の中とは、ぜんぶ冗談みたいなものである。

 

前も書いたが、人一生の仕事とは、それ(=不具合)そのものがなくなるように尽力する、その性質のものだけを指す。だから、世の中に裁判や病苦や国境がなくなる、あるいはグッと少なくなる、あるいはトラブルが起きても傷が浅いうちに対処できる、そんな世を目指すのがそれぞれの本当の仕事だ。この意味で、職業に貴賤なし、なのだ。問題に対し手加減したり、見て見ぬふりしたり、ほったらかしで収入を得て延命をはかるなどの、いわゆる既得利権の上にあぐらをかくような怠慢は、仕事ではなく退化である。だから本当の仕事は、徹底すればするほど、稼げなくなるものだ。

 

一度造ったら金銭的にはほぼ終わりのもの、たとえば道路とかから、さらに銭を引き出そうとする、そんなレガシー的な潔くない、あさましい根性が原点にあるから、枝葉末節の道路メンテナンスとか税金とかが主題になってきて、道路本体から話は離脱していき実体を失い、仕事はまぼろしばかり追い回す羽目になって空洞化した会社はブラック化せざるを得ず、労働者は孤独に疲れて貧困にあえぎ、人生はむなしいままなのです。いまの世の中ぜんぶコレ。AIによってその「化けの皮」が全部、実質的に引っぺがされ、いままでの仕事の意味を漂泊する地平に立てる可能性があるってのがこの駄文の主旨であります。いっけん人を疎外しそうなターミネーターが、実は人類がスターチャイルドに昇華するための最もよい友人になるのです。

 

そうなると自由とか平等が、空念仏でなく社会的に真の有意を持つ位相にグッと近づく。弁護士や医者や官僚が補助人になり、いい世とよき人を目指すための同志となって相互に成果を分かち合う。そうしてスペシャリティが水墨画のように薄い存在となったうえで咲くのがホントの平等。弁護士会や医師会、省庁や天下り先といった特権階級互助会のホネ抜き化も含んでの、水平な関係性、その自然実現。

 

いまはぜんぜんダメ。エラそうな業界にありがちな、終身名誉監督とか何とか大学名誉教授における「名誉」って呼称。それを許して疑いもしない土壌、ノーベル賞みたいな褒賞をありがたがる風潮が、裏返しにエゲツない差別の温床なんだから。分かってるよね?

 

インターネットが普及しきった現代でも、ノイズとなぐさみもの(ECコマースとか)が増えるばかりで、人はちっとも前進しなかった。前進したのは一部のどうでもいい物販と詐欺業界だけで、肝心の人は賢くなれなかった。これは当たり前で、そんなものに仮託して飛躍できるほど、知能はちゃっちくないのだ。

 

その後、時代は進んで現代、自分の外部に設置したハイレベルな模擬知能(AI)までいって、そいつに従属させられて、ヒマが出来てぶらついて、照射されてはたと立ち止まって考えて、目からウロコがバサバサ落ちて。そうやって初めて人は自分に向きあい、身の丈にあった進歩をよちよちとでも進められる、そんな気がするよ。

 

東京には高い高いビルやタワーマンションがいっぱいあるけど、ぜんぶバベルの塔みたい。重力に逆らっても先は見えてるじゃない。成層圏まで届くわけもなし届いたところでテロの標的にされるのがオチだし。垂直さに貢献しても材料消費が増えるだけ。そこをわかってても、積み上げに積み上げて上に伸ばすしか方策はないのか。建築とは建物とは、誰のための、何を目指したものなのかという「そもそも意識」が仕事の本体だろう。建築学は建物の基礎固め手順説明の前に、人の基礎固めからやり直しだ。

 

でないと2020年の東京オリンピック全体が豊洲化しちまうよ。でもその方が膿が出て、いいのかもね。このへん、わたしもヒトゴトねw

 

<了>