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みんなが「ホントの仕事」に従事すれば、日本は良くなるし、世界にもいいことあるよ、たぶん。



賃金労働からの跳躍。

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*カレーライスに春雨サラダを添えて(本文とは関係ありません)

 

<他律思考に陥らない>

2015年6月は労働者派遣法改正案の審議で国政は揺れた。


そう、働く期間に上限のなかった通訳や秘書などといった専門26業務に関し、勤労期間上限を一律3年にする一方、人を替えれば会社側は派遣を使い続けることができるっていう改正内容。政権というのは、ここぞって時には市民のほうではなく、資本家や権威の方を向いてるものだという不文律を、改めて感じさせるエピソードだ。

さてその改正案に反対のシュプレヒコールをあげる一般人はNHKのテレビでかくのたまった。

「誰もが正社員の地位を求めるじゃないですか」

ごめん偉そうですが、ちょっと耳を疑いました。もうこういう思考はとっくに行き詰ってるわけでして。



隣の芝生は青く見える。派遣社員みたいな不安定(なのか?)な身分に甘んじてると、隣で働く正社員とやらは、堅固な身分に見えるのか?

そんなわけないよね。資本主義・貨幣経済の下では、すべての人の人生時間は銭金に還元しうるし、すべての会社はいわゆる「ブラック企業」の資質を内包している。

つまり、人間を疎外する大枠のシステムは、いくらデモしたってビクともしないで、今日も明日も回り続けてる。最近じゃ政権側が今までにもまして庶民の方をないがしろにして、資本家やアメリカの方にエエ顔売ってるので、なおさらだ。

そりゃ正社員と派遣社員の間には給料/賞与が少しはいいとか、休みが多いとか、簡単に解雇されない/されうるといった違いが横たわっている(とよく聞く)。


だけど個別の事情もあえて無視して言わせてもらうと、そんな差異は自分以外の人が勝手にあなたに適用してるだけの外部規格。そんなものに依拠しないで、別の軸をうち立て、それでやっていったらいいじゃないか。あらがう必要も労力も時間も、自分にふりむけるのをおススメしておきたい。


正社員の地位を求めるってコメントしたさっきの人だって分別のついた大人だ。もちろんお分かりなんだろう、「地位」や「身分」そのものが欲しいわけじゃないってことが。
安定した職場が欲しいってことだよね。

でも世界中にそんなのは、はじめっからほとんどないよ。大部分が画餅であり幻想だよね。
今までの日本は会社が存続してる(ように見える)幻想時間が、人の雇用期間よりも長かったから、安定してるように見えただけで。プラス、世の中の動きが現在よりは緩慢だったからってのもあると思うけど。
創業ウン百年なんて企業もあるけど、内実は変化していってるだろうし、そういうのは例外と捉えたほうがいいよね。

ちなみに現在、同じ2015年6月の日経新聞によると、日本の大企業(資本金が1億円超の会社)は現在年間約1,200社ペースで減ってて、このまま進むとあと15年程度で大企業はなくなるんだって。
これは大企業の税率が高いためらしいんだけど、一方で、2014年11月の同紙の報道だと、同年11/7日までに決算を発表した1106社のうち、上位10社の増益分だけで全体の8割を占めるんだって。


つまり大企業はその絶対数において絶賛シュリンク中であり、その大企業も入ってるであろうわずか1%の企業が、全体の増益分の約8割を占める、と。

このどちらの報道も、前者は単純なシュミレーションだし(合併とか吸収とか、色んな形があるからね)、後者は一部の事象の拡大解釈なのかもしれない。
だけど、一面では事実だし、どちらも感覚的に素直に飲み込める。特に後者の勝ち組と負け組の格差広がるみたいな話は、2割の働き蟻が全体の8割の労働をするみたいな話を彷彿とさせて納得してしまう。

 

またそもそも以前から言われてるように、現代日本の会社の寿命は平均すると30年ないそうで、また一方では超高齢化社会の到来でもあるそうで。人が自分より寿命のはるかに少ないもの(=会社)に依拠してるって状況そのものが、かなり厳しい。たとえ(ハートウォーミングなイメージのある)家族経営の会社だって、いざとなったら社員に冷たいに決まってるんだから。


というわけで何が言いたいかっていうと(いまさらな結論なんですが)会社、大企業なんて幻想だってことです。当然、「正社員」「正規雇用」ってのも同様。
「寄らば大樹の陰」っていうのはもう過去の話か、いま通用したとしてもこれから10年間続くか考えると厳しい。つまり、外部から与えられる賃金・賞与・労働・働き甲斐とやらはぜんぶ蜃気楼であります。



こうなるとほかの誰でもない自分自身が、時代と共にアメーバみたいに変幻自在になって、よく言われるように自分で自分を雇うようにしていくしか、道はないよね。


とは言え例えば新卒者なんかだと、キャリアのスタートは派遣社員やアルバイトでぜんぜんOKだと思いますよ。給料を頂けるうちに自立のノウハウを磨きましょ。

 

僕は8年前に脱サラして自営業に転身したからイマドキの雇用実態には詳しくないけど、2つ3つの勤務先をかけもちとか副業兼任なんて、今は雇用者側で認められてるんでしょ?認められてなくて、かつ、賃金安かったらアンフェアだなぁ。もうそうなら、副業を隠れて進めましょう。


繰り返しになりますが、雇用とか給与のこと考えたり闘争するんだったら、自立のノウハウを磨きましょ。いまはそれがかなり簡単につかめますから。

 

なぜならインターネットがあるからであります。

 

そんなの分かってるんだよ!って思った方で、ウェブ資産を何もお持ちでない方へ。LINEなんか打ってるヒマがあったら今晩にでも何かブログでも始めよう。

そうでなかったら、「分かって」ないことになるよね。

 

<了>